共栄化成株式会社

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第三回 共栄化成株式会社 様

3回目はプラスチック成形の共栄化成さんです。

プラスチック成形といっても、いろいろあります。射出成形・押出し成形・真空成形のお話を伺ったことがありますが、聞いているだけではよくわかりません。こんなにたくさんのプラスチック製品に囲まれて生活しているのに、作り方は何も知らん、こらあかん、もっと勉強しよ。

DAITO MAKERS 共栄化成

プラスチック製品は軽くて丈夫でカラフル。

部屋を眺めてみるとあれもこれもプラスチック製品です。電気製品や電子製品の本体や部品にも。いろんな形状にできるプラスチックは多様化や小型化を可能にしました。ほんとにお世話になっています。で、見学に行ってきました、新田境町にある共栄化成さんです。共栄化成の工場はかっこいいです。まるでコロセウムです。2階から1階の作業現場をぐるりと見渡すことができます。2階に原料を置いて作業効率をあげるための工夫と1階の作業現場の室温コントロールのためだそうです。天井が高く吹き抜けていて解放感が大ありです。

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携帯電話やPCなど新商品の進化にはつねにプラスチックがありました。

量産化だけでなく軽量化にも貢献します。普通車には100kg以上のプラスチックが使われています。機能重視のスポーツ製品にも、湿気に強いので住宅製品にもたくさん使われています。成形安定性も非常に高いのでCT装置やMRI装置など高度な診断装置のなかにも。プラスチックは医療の現場にもたくさん使われています。

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「ペットボトルはゴミやない」

2003年頃に大手メーカーから「再生ペット、できますか?できるんやったら、一緒に商品つくりましょか」と声がかかりました。創業社長の松原五郎さんの進取の気性と技術者魂に火がついたのか先頭に立って始めたそうです。大東市には再生ペット成形に取り組んでいる工場はひとつもありませんでした。最初の頃は原料となるペットボトルを、発注先のメーカーさんにもお声がけして、回収洗浄して追加の原料として使っていました。

「これはゴミやない、原料やで」メーカーさんも「ゴミが商品になるのは、嬉しいな」この話、20年近く前の話です。

このまんまSDGsです。創業者松原五郎さんも真夏に麦わら帽子をかぶって社員の方といっしょにペットボトルを洗っていたそうです。

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再生ペット成形は試行錯誤の連続だったそうです。

工場長の本庄伸行さんに成形初期の話を聞きました。「金型ひとつとっても今までと違う、仕上げ精度のレベルが従来のバージン原料と再生ペット原料では別物でした」。金型だけでなく、再生ペット原料の品質が安定しないことも大きな問題となりました。原料の乾燥、水分コントロールにはじまり、射出圧力の調節、ラインをスムーズに動かすために、金型と原料品質の相性、調整の連続だったようです。積み重ねた技術と現場の知恵、原料品質の向上、現在の安定稼働のポイントになっているようです。

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とっくの昔に始まっていた、サーキュラーエコノミー。

サーキュラーエコノミー(循環型経済)という言葉が話題になるずっとずっと前から、「これゴミとちゃうで、原料やで」と、創業者松原五郎さんの想いで始まったプロジェクトです。再生ペット射出成形は現在も共栄化成さんの事業の柱です。みんなが知っているあの商品からおしゃれな家庭用品まで成形技術を活かし多種多様な製品がつくられています。すごく有名なプロダクトデザイナー&パッケージデザイナーのシビアな要求に応えた素敵な商品もあります。ここで名前が言えないのがくやしい!広告業界にいた僕自身もびっくりするビックネームです。

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「繋ぐ」

メーカーの想いを創業者松原五郎さんが製品につなぐ。創業者スピリットを現場につなぐ。プラスチックの可能性を生活につなぐ。プラスチック成形を未来につなぐ。共栄化成さんの名刺には「繋ぐ」という言葉が入っています。ようやく理解することができました。いいですよね。気持ちと商品と創業スピリットが凝縮された良い言葉です。

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「これはゴミやない、原料やで」「ゴミから商品ができるのは嬉しいな」

今回、こんな素敵な言葉に出会えることができました。やっぱり製造業はすごいです、まだまだ知らんことばっかりです。現場の作業を理解するのにすごく時間がかかりました。共栄化成の松原美奈社長と松原海さんありがとうございました。

DAITO MAKERS続きます。お話を聞かせてください、自転車でおうかがいします。