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2019年11月22日

投稿者:海外展開・創業支援アドバイザー 森信 肇

仕事のモチベーションを左右する「キャリア・アンカー」とは。

海外展開・創業支援アドバイザーの森信です。
事業主にとって、雇用問題は悩みが尽きません。適材適所の人員配置や従業員のモチベーションの維持。一方で、働く側はどのような動機で仕事や職場を選んでいるのでしょうか。そこには報酬や待遇だけではない、各個人が持つ「価値観」が影響していると考えられています。
 

2018年6月には、国会で「働き方改革関連法案」が可決されたました。昨今では、在宅勤務やリモートワークといった働き方の新たな選択肢も増えつつあります。
 
私自身、事業を継続していく上で人の問題にはいつも苦労してきました。また採用時には、どの人材を採用すべきかと迷うことも少なくありません。その中で出会った「キャリア・アンカー」という理論をご紹介します。

 
「キャリア・アンカー」は、アメリカの組織心理学者エドガー・シャイン博士が提唱しました。仕事を選択する上で、各個人が最も重要視する「価値観」を意味します。言い換えると、どの仕事をしたいのか(what)よりも、どのように仕事をしたいか(how)の方が重要だと考えます。

 
シャインは、下記の8種類に分類しています。
ただし、重要視する「価値観」といっても、必ずしも一つに絞られるとも限りません。
 
① 管理能力(Managerial competence)
組織の中で責任ある役割を担うことを重視します。このタイプの人は、問題解決やマネジメント、世話好きな人に多く責任を負うことで成長します。
 
② 技術的・機能的能力(Technical/functional competence)
自分の専門性や技術が高まることを望みます。何かの分野で秀でることや専門家になることを好みます。
 
③ 安全性(Security/stability)
安定的に1つの組織に属する傾向があり、「継続性」と「安全性」が生活上で最も大切だと考えています。また、できる限りリスクを回避しようと考えます。
 

④ 創造性(Entrepreneurial creativity)
クリエイティブに新しいことを生み出すことを得意とします。新しい事業の創造を好みます。管理や運営は他の人にまかせる傾向にあります。
 
⑤ 自律と独立(Autonomy/independence)
自分で決めたやり方で仕事を進めることが好きな傾向にあります。そして、周りからの動機付けがなくとも自走することが得意です。基準や規律に従うことはあまり好まず、一人で仕事をする人に多いタイプです。
 
⑥ 奉仕・社会献身(Service/dedication to a cause)
社会貢献やいかに人の役に立つかに動機付けされます。サービス業界やHR業界を目指す人にはこの傾向が強いようです。
 
⑦ 純粋な挑戦(Pure challenge)
解決困難な問題に挑戦することにモチベーションを見出します。そのため、今の仕事ができるようになると次の仕事を探す傾向にあり、一貫性のない多様なキャリアを積む可能性があります。
 
⑧ ワーク・ライフバランス(Lifestyle)
個人的な欲求と、家族と、仕事とのバランス調整をします。自身の中で確立した生活スタイルに合わせて仕事を選ぶ傾向にあります。

 
「キャリア・アンカー」は、社会人経験5年以上、あるいは30歳あたりから形成されます。一度形成されると変化しにくいとされています。生涯にわたり重要な意思決定に影響を及ぼします。雇用する側は、従業員の価値観に気づくことで適した人員配置が可能となるでしょうし、満足度の高い研修を実施することができるようになります。
 
独立する人も、この8つの概念のいずれかにその動機を見出しているのではないでしょうか。
 
採用活動を行う中では、当然ながらこれまでの経験やスキルなどの能力、そして人柄が重要視されることと思います。そこに、「キャリア・アンカー」を意識することで、少し違った角度から人材を見れるようになるのではないでしょうか。

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